スポーツバイクへのこだわり



スポーツバイク専門店だからこそできるサービスやこだわりについて紹介しています。
私が心がけていることなども書いています。

・フィティングマシンの活用

・目的、体格に合った自転車選び

正確な組み立て、調整

部品交換、修理、メンテナンス


<フィティングマシンの活用>

1.股下の長さを測定します。

  測定器で、股下の長さを測定しています

2.サドルの高さを決めます。

  股下の長さからサドルの高さを決めます

3.サドルの前後位置を決めます。

クランクを水平の状態にして、膝蓋骨の裏側がペダルシャフトの中心にくるように、サドルの前後位置を調整します。

4.膝の角度を測り、サドル位置の微調整をします。

クランクを水平の状態にして、大転子と外側上顆、くるぶしの角度が110度(±5度)になるよう調整します。

5.腰の角度と腕の角度を測り、ハンドルの高さと前後の位置を調整します。

ハンドルの上を持った状態で、外側上顆と大転子のなす角度を測ります。(上級者40~45度、中級者45~55度、初心者55度~65度を目安にする) 

大転子、肩峰、橈骨点を結ぶ角度を測ります(上級者80~90度、中級者80~85度、初心者75度~80度を目安とする。) 

6.ハンドル・サドルの微調整をし、ポジションを出します。

約15分、ペダリングをしてもらい、違和感がないかを確認します。調整は1mm単位から可能

 数値は、上から心拍数、ケイデンス、残り時間(秒)、ワット数

スマートフォンやカメラで、ペダリングの動画を前・後ろ・横から撮影し、その都度、見て確認してもらうこともできます。

フレームから組み上げる場合には、フィティングマシンを活用して出た数値を計測します。

ちなみに必要な数値は、クランク長、サドル高、サドル後退幅、ハンドル幅、ハンドルとサドルの落差、ハンドル・サドル間距離、となります。

フィティング後、当店でパーツ購入される方、または、フレームからオーダーの方、新車を購入される方へ、無料で測定を行います。

フィティングのみは、行っておりません。(要予約 090-5594-3960  担当 結城 こうぞうまでご連絡ください。)


<目的、体格に合った自転車選び>

使用目的が具体的になりますと、あとは、お客様のご要望に応じた車種で、体に合ったサイズのスポーツバイクを提示することができます。


例えば、ロードバイクになったとします。

ご予算を伺い、その範囲で選べるロードバイクを何台かご覧いただき、そのバイクの特徴をご説明いたします。

フレームやフォークの素材、使用コンポーネント(主となるパーツ構成のこと)、そのバイクの良さなどです。

フレームやフォークの素材、形状によっても自転車の乗り心地は違ってきます。

デザインやカラーにこだわるお客様も多くいます

 

ある程度の絞り込みが出来ますと、お客様の股下を計り、サドルの高さを出しますので、実際に、お客様に自転車にまたがっていただくことも可

能です。

自転車のサイズ選びでは、メーカー推奨のチャート表も参考になります。

これは、SCOTT のカタログに載っている車種「ADDICT」のチャート表です。

    XXS   155cm~165cm
      XS   160cm~170cm
      S   165cm~175cm
      M   170cm~180cm
      L   175cm~185cm

身長が165cmでしたら、XXS~Sまで、身長が177cmでしたら、MかLサイズが推奨ですが、身長だけでなく、手脚の長さや柔軟性なども考慮して最適な一台を決めていきます。

当店で展示している自転車は、すべて、当日お渡しが可能です。

もしも、お客様のご要望のバイクが店頭になくても、取り扱いのあるメーカーであれば、インターネットのオンラインで、数分で調べることが可能です。

メーカーに在庫があれば、発注、入荷、組み立て、納車という流れになります。

メーカーの営業日によりますが、3日~7日程度でお渡しできます。

 


 <正確な組み立て、調整>

自転車は、7分組みの状態で、メーカーから送られてきます。 

メーカーによって、多少の違いはありますが、ほぼ、完成車にして、販売できる状態まで組み上げる工程は、だいたい一緒です。

残りの3分は、組み立てる人の力量にかかっているということです。

スポーツバイク専門店のスタッフは、日々、知識を深め、技術を磨き、高い専門性を維持できるよう努力されていると思います。

私は、SMB(スポーツバイクメカニック講座) で学んだ経験を参考に、自分なりのこだわりを加えて、組み立てております。

 <7分組みで主に使われる工具>



 組み立ての流れ(7分組み)


最近、油圧ディスクのスポーツバイクが多くなってきました。シマノは、ティアグラにも油圧を投入するとの発表がありました。そこで、2019年5月に納車した「VENGE PRO ULtegra DI2」を紹介します。

注文してから、約3か月後に待望の「VENGE PRO」が、ようやく入荷しました。 

VENGE PROが入ってるSPECIALIZEDの箱だけ、他の箱に比べて一回り大きいですね。高級車ほど、そのような傾向があります。 

中には、しっかりと梱包された自転車が入っています。 

フレーム、フロントフォーク、ホイールが、傷つかないように 梱包材で覆われ、タイラップで留められています。

ハンドルもこの通り、梱包材で覆われて、中を見ることさえできません。それもそのはず、この自転車、ハンドル、ステム、シートピラーがSWORKSを使用。おまけに、フレームはロゴマークが違うだけで、「SWORKS VENGE」と同じものが使われているということです。どおりで、入手困難、すでに、完売なので、残っていてラッキーでした。  

ホイールは、ブレーキの心配がないので、「ROVAL CL50 DISC」リムはカーボンを使用、DISCはフロント140mm、リアに160mmを採用。160mmの方が制動力が高い。前後で1515gという軽さも魅力的なホイールです。完成車ということで、DISCやタイヤも付いています。DISCはセンターロックタイプを採用してます。

 

このように、サドルやシートピラーもベールに包まれたままの状態です。 

作業台にフレームをセットし、梱包材を一旦外し、全体を確認します。この自転車の色は、マットブラックですので、大変気を使います。納車されるまで、フレームやフォーク等に傷が付かないように、確認後は、梱包材をしておきます。  

一旦、梱包材を取り外し、自転車全体を確認します。

前輪のホイールも一旦、梱包材を外し、フロントフォークにセットしようとしますが、ディスクに付いている黒いプラスチックカバーがなかなか外れない。 

今までのホイールには、クイックリリースというシャフトがホイールに付いてきましたが、どうやらDISC対応のホイールの場合、写真のようなスルーアスクルと呼ばれるものがフレームに付いています。写真では、六ミリの六角レンチを使ってスルーアスクルを緩めて、抜こうとしています。 

ハンドルの梱包材を取ると、DI2用のデュアルコントロールレバーが付いていました。レバーは変速とブレーキを兼ねています。ブレーキレバーを握って、油圧ホースからミネラルオイルが出るのを防ぐために、黄色いプラスチックのストッパーが挟んであります。もちろん、ホースの挿入口にも栓はしてありますが、順番としては、油圧ホースを確実にデュラコンの挿入口に挿し終えてから、ストッパーを外すのが良さそうです。 

この時点で、サドルの高さなどポジション測定はできてなかったので、とりあえず、フレームのシートチューブに入れてみました。シートチューブは途中から細くなっているので、どう見てもシートピラーはカットしなければなりませんね。 

まず、シートピラーの中にバッテリーを入れることになっています。サドル下にDI2の充電や調整などに必要なジャンクションAをセットしたところで、電気回路が全部つながっているかを確認。左と右のデュラコンには、ハンドルの中をエレクトリックワイヤーが一本つながっています。そこで、ジャンクションBから来ているエレクトリックワイヤーを左右のどちらかのデュラコンにつなげばいいので、ハンドルの中を通し、左側につなぎました。FD,RDからもジャンクションBにつながっていると思われるので、ジャンクションBから来ているエレクトリックワイヤーをジャンクションAにつなぎます。最後にバッテリーとジャンクションAをエレクトリックワイヤーでつなげば、回路が成立するはずです。試しに、デュラコンのレバーを軽く押してみると、ディレーラーが動きました。おー、通電しているではありませんか。ということで、まずは、PCにつないで充電しているところです。 

エレクトリックワイヤーの配線は、上の図面に従って進めました。当たり前のことかもしれませんが、組み立てに関する説明書は全部英語で、日本語のものはございません。しっかり英語を勉強しておけばよかったと今更ながらに後悔しています。 

 SHIMANOと書いてあるのが、充電器です。充電中はオレンジ色のランプが点灯します。PCからだと3時間、ACアダプタ(1A)だと、1.5時間で充電完了(目安の時間です)。充電完了するとランプが消えます。

今日は、お客様の適正なポジションを測定するために、ブリジストンのアンカーシステムを使ってフィティングを行いました。フィティングにより分かったことは、サドル高を現在より2.5㎝上げること。ペダルをより効率的に回すことができる位置にサドルの前後位置を決めること。サドルとハンドルの落差、サドルからハンドルまでの距離です。なお、ポジションとは、お客様の身長や股下の長さ、腕の長さ、体の柔軟性などによって決めていますが、どんなサイクリングを目指しているか、どの程度、自転車に乗りこんでいるかによって変わります。また、実際に、試乗後に、変えることも出てきます。あくまでも、組み上げる時の目安としてとらえています。

下のマシーンを使って、膝の角度、腰の角度、腕の角度が目安からずれていることのないように調整します。ハンドルの幅、ハンドルの高さと前後位置、サドルの高さ、サドルの前後位置、クランクの長さが変えられるようになっています。ケイデンス、時間、ワット数、心拍数がモニターに表示可能です。ご納得いくまで、時間をかけてフィッティングは行うようにしています。ほとんどのお客様が、汗だくになりながら、ペダリングに集中してくださいます。

購入されたのが、VENGEですので、どうしても前傾のエアロポジションになりますが、前のCAAD12とは前から受ける空気抵抗が違い、少なくなるので、確実にスピードアップしやすいと思います。ただし、体が硬いと公言されていましたので、腰が痛くならないかな、、、心配です。 


では、作業に戻ります。まずは、シートポストとコラムのカットです。フィッティングした時点で、ハンドル位置は、VENGEの始めの高さより10mm高いのですが、これ以上、ハンドル位置は高くならないので、コラムカットの必要はなくなりました。では、シートポストです。シートチューブの長さは525mm、サドル高が745mmですので、フレームからサドル上までを220mmにすればいいのです。シートチューブ内に入るMaxが190mmなので、余分な部分をカットします。ちなみに、以前乗っていたCAAD12のサドル高が720mmだったので、25mm分だけ下げられるように多めに切りました。


万力にシートポストを挟む専用工具をセットします。 

わずかに右側に2mmくらいの隙間があります。この中に、金のこぎりを入れて、手作業で切ります。ここで、問題が発生しました。順調に上の方から真ん中まで切れましたが、だんだん下の方にいくにつれて切れません。理由が分かりました。上の専用工具をよく見ていただくと分かりますが、下の方が、金のこぎりを入れる隙間が狭いのです。それが理由でした。下の方の隙間が広がるように調整して、再度、試してみると、きれいに切れました。

 

金のこぎりを使うときにも、私はベルハンマーという潤滑剤をのこぎりの歯にスプレーしてから使います。滑るように切れて、とても作業が楽になります。 

上のようにセットしたら、あとは、いっきに切るだけです。 

赤いキャップから黄色いノズルが出ているのが、ベルハンマー、奥に見えるのが、切り取ったシートピラーの切れ端です。 

シートポストの中に入れるバッテリーです。図面は、組み上げるための説明書ですが、すべて英語なんですよね。勉強って、こういう時に必要だと痛感します。 

シートポストの後ろに取り付けるジャンクションAです。調整モードにするには、ボタンを長押し。シンクロシフトなどシフトのタイプを選ぶには、ダブルクリック。極めて重要な部品です。シフトレバーを長押しすれば、バッテリーの残量もここで分かります。(詳しい説明は後程)
ジャンクションAには、バッテリーとジャンクションBのエレクトリックワイヤーをつなげば、通電する回路ができるということですね。なるほど! 

まずは、シートポストの中へ、バッテリーを入れていきます。エレクトリックワイヤーは、ジャンクションAにつなぐので、ワイヤーの方を上にして入れます。

この円いところにジャンクションAが収まるということです。このエレクトリックワイヤーはバッテリーとつながっています。 

シートポストにジャンクションAを収めるところです。よく見ると、エレクトリックワイヤーが2本つながっていますので、もう一本は、ジャンクションBから来たワイヤーをつないでいます。 

ジャンクションAをこれで上から固定します。上下のネジは、2.5mmの六角レンチ使用。締め付けトルクは、0.8Nmです。 

ジャンクションAがシートポストに固定されました。 

ボタンを押すと、左のグリーンの点灯は電池残量LED 、右の赤の点灯は、ボタン用LED。調整モードにすると赤色点灯。通常モードに戻すと、この赤色が消灯します。 

シートポストとフレームの間に隙間が見えます。そして、シートクランプが見えません。この隙間にシートクランプが入ります。 

このシートクランプは、ヘッドパーツと仕組みが似ています。上のネジを締めると、上と下の斜めにくっついているパーツが広がっていくのですね。 

では、シートポストを挿入してみました。ちなみに、カーボンフレームにカーボンのシートポストを入れる時は、通常のグリスではなく、ザラザラしたファイバーグリスを使用します。パーツクリーナーを使ってしっかり脱脂してから、シートチューブの内側に薄く塗ります。 

使用したFSAのファイバーグリス。指に付けると、ザラザラ感がよく分かります。 

シートクランプの締め付けトルクは、4mm六角レンチで6.2Nmです。 

初めは、専用工具で締め、最終確認はトルクレンチで行います。 

規定トルク値を設定します。設定値に近くなると、音で知らせてくれます。その数値をもとに、規定値近くまで締まっているかを確認します。サドルの高さが決まったので、次は、サドルの角度と前後位置を決めていきましょう。 

水平器を使い、基本、サドルは水平にセッティングします。サドルの角度と前後位置は、同時に行っていきます。サドルの下に、5mmの六角レンチで締めるネジがあり、このネジ一つで2つの調整を行うのです。締め付けトルクは、13.5Nmです。 

サドルの先端から、下げ振りを垂らします。サドル後退幅が85mmなので、この時、BBの中心から、85mm後ろになるようにします。 

あらかじめ、BBから85mm後ろになるところに、目印となる白い発泡スチロールを固定しておきます。 

この位置に下げ振りが来るように、サドルの前後位置とサドルの角度を合わせたら、5mmの専用工具で、13.5Nmを目安に締めます。写真で見ると、下げ振りが曲がっているように見えますが、実際は、写真が下げ振りに対して斜めになっているのです。ご勘弁を。

さて、では、次の工程(ブレーキの取り付け)に進みましょう。と、ちょっとその前に、この自転車をよく観察してみると、前述した通り、至る所にS-WORKSのパーツが使われています。

まずは、ステム 

そして、ハンドルも 

この通り、シートポストまで、S-WORKSを使用。フレームもS-WORKSとロゴが違うだけで同じもの。やっぱりこの自転車はお得ですよ。
では、ちょっと、時間を遡ってみると、

ハンドルを取り付ける前の状態は、こうでした。 

 ヘッドチューブを通って、ステムの下から、左右のブレーキホース(赤がリアで青がフロント)とジャンクションBから来ているエレクトリックワイヤーが出ています。この二つのブレーキホースと1本のエレクトリックワイヤーをハンドルの中を通し、ハンドルの外へ出します。

エレクトリックワイヤーを左のデュアルコントロールレバーのターミナルへカチッと音がするまでしっかり差し込みます。 

これは、電動回路がつながったので、バッテリーの充電をしているところです。まだ、ブレーキホースはむき出しのままですね。 

まずは、ハンドルの向きを変えて、二つのブレーキホースをこのように、ハンドルの中を通して出します。  

再び、ハンドルの角度を戻して、ステムで固定します。 

まずは、ステムの仮止めです。この後、油圧ブレーキのブリーディング作業があるので、ハンドルの角度は、度々変えますので。 

ブレーキホースとエレクトリックワイヤーを出す穴が小さいため、ここで、思わぬ大苦戦。結局、初めに通っていたエレクトリックワイヤーを外してから、まずは、太い方のブレーキホースを先に通し、再度、エレクトリックワイヤーを通した。

ステム前方には、各メーカーのスピードメーターが取り付けられるように、マウントが用意されていたので、キャットアイマウントをセットした。 

このワイヤーをどうやって通したらいいものか、試行錯誤、苦戦していたら、シフトワイヤーとエレクトリックワイヤーをつないで通すといいいとアドバイスをもらい、試してみることに。シフトワイヤーの太鼓の部分とエレクトリックワイヤーの差込部分をセロテープで固定。(まず、誘導するシフトワイヤーを入れて) 

左側からシフトワイヤーごと出す。こんな感じで、シフトワイヤーを先に誘導して、エレクトリックワイヤーを引っ張り出すという作戦。

無事、ブレーキホースとエレクトリックワイヤー2本の3本を左側に通すことができた。 

この後、ブレーキホースを適正な長さにカットすることになるが、その前に、ブレーキホースとエレクトリックワイヤーをステム下で固定する。 

ブレーキホースは思ったより硬いので、このステム下を通すアールがかなりきつかった、3mm専用工具で3Nmまで固定する。ちょっと長めに余裕を持たせてカットしようとも考えていたが、どうやらそれも難しい。なんか、一つ一つの作業に思いの外、時間がかかっている。 

ブレーキホースのカットとコネクタインサートを入れるための専用ツール「シマノTL-BH62」。ブレーキホースのカットとコネクタインサートの挿入には必需品

デュラコンのブレーキホース挿入口より20mm長めにカットする位置決めをしたら、デュラコンを外し、シマノの専用ツールにブレーキホースをセット。専用ツールの間をホースが通っているのが見えますね。この部分にもう一つのカッターが付いたツールをはめて押し込めば、切れるという仕組みなんです。 

このようにカットしたブレーキホースとブレーキホースの先端に見えるのが、コネクタインサート。ホースカットするまでの手順は良かったと思うが、コネクタインサートを入れるのに、また、難題が、、、 

コネクタインサートと専用ツール これを使うとブレーキホースに簡単に挿入できるんです。 

ホースの先にコネクタインサートを少しだけ入れておきます。上のホース側はしっかり固定して動かなくしておき、右側のレバーを右側に倒すと、下から上に専用ツールが動き、いとも簡単にコネクタインサートを入れることができます。注意は、コネクタインサートを真っ直ぐにして、ホースの端まで入れることです。

ところが、切ってしまったブレーキホースは、このままでは短くて、専用工具に固定できない。何とかならないものか?ハンドルの中に入れないと、どこでホースをカットしていいか分からないし、切らないとコネクタインサートを入れられないので、ここまでの工程に間違いはないはず。どうしよう?頭が爆発しそうだ!

他の人は、どうやって組み上げているのだろう?色々とインターネットで調べてみたが、みつけることができなかった。

専用工具を使わないでできないものか、また、試行錯誤してみたが、解決策は見つからない。時間だけが過ぎていく。焦らずやろうと思っているが、、、

結局、もう一度、最初からやろう!

無理をして、今までたくさんの失敗をしてきたではないか?

そうだ。ブレーキホースをハンドルからもう一度引き抜こう。そうすれば、専用工具も使って、コネクタインサートを入れられる。こうして、何事も、冷静に考えてみることや原点に戻ることの大切さを学んだ良い経験となった。でも、心配事は尽きない。ホースからオイルは漏れないか、エレクトリックワイヤーの先端やターミナル部分には、サランラップをまいたり、ダミープラグを挿入したりして、漏電しないように対策した。 


ハンドルに入れるのは2回目だったので、1回目よりはスムーズに入れられたし、コネクタインサートも無事挿入完了した。 

無事、ブレーキホースがブラケットの挿入部に固定された状態です。ブレーキホースを真っ直ぐに差し込みます。ブレーキホースを押しながら、フランジ付きコネクションボルトを8mmスパナで6Nmの強さで締め付けます。(一度目は、ブレーキホースを通すオリーブの中にしっかり入らず、オリーブをつぶしてしまい、やり直しました。次回からは、あらかじめ、コネクティングボルトを外し、オリーブを取り出して、ブレーキホースの先端にオリーブを通して、オリーブも一緒に入れるというより確実な方法で取り付けました。) 

しかし、ちょっと、シマノのディーラーマニュアルをよく見ると、次のようなブレーキホースを固定する専用工具があるということがわかりました。 

この黄色い専用工具でブレーキホースを挟み、デバイスで固定すれば、上の写真の状態のままで、コネクターインサートを挿入できたのですね。よく読んでいれば、とまた反省した次第です。では、私が、この自転車で最も苦労したキーとなった部品を紹介します。 

ブレーキホースに挿入するコネクターインサート 

カットした後に、ブレーキホースをデバイスに固定してコネクターインサートを挿入する時に使うシマノ「TL-BH61」知っていれば、、、 

ブレーキホースの先端に入れた金色のがオリーブです。 オリーブにシリコングリスを塗り、ブレーキホースとオリーブ、コネクティングボルトを差し込む。私にとって、これらが、作業を確実にする上でのポイントでした。ここから先は、ほぼ経験済みのことなので、落ち着いてできたかなと思います。では、ブリーディングの作業に入ります。

その前に、作業中にオイルがローターに付かないように、ローターを取り外します。取り外さないで作業する人もいますが、やはり、外すことをお勧めします。 

ブレーキパッドを外し、黄色いブリード用スペーサーを入れます。 

黄色いレバーストッパーを取り外します。このストッパーを外すと、ブレーキレバーが動く状態になります。この時、ブリード用スペーサーが入っていないと、左右から出たピストンが押されて閉じたままになってしまいます。 

ブラケットカバーをめくり、ブリードネジとOリングを外します。 

その前に、ブリーディングでこぼれたミネラルオイルが、エレクトリックワイヤーのターミナルから侵入しないよう、ダミープラグを差し込み、その周りをサランラップで覆います。 

ブリードねじとOリングを2mmの六角レンチで外し、じょうごにファンネルアダプターを取り付けます。 

キャリパー側からシマノのミネラルオイルを注射器で入れていくときに、7mmのソケットレンチでブリードニップルを緩めて開きます。 

じょうご内にミネラルオイルと気泡が出てきます。じょうご内のオイルに気泡が混じらなくなったら、ブリードニップルを締め、注射器を外します。

今度は、ミネラルオイルを上から下に排出しながら、ブレーキシステム内(ブラケット、ホース、及びキャリパー側)に残っている気泡を外に出すので、7mmのソケットレンチでブリードニップルを緩めます。この時、じょうご内のミネラルオイルが少なくなっていくので、空気が混ざらないように、ミネラルオイルをつぎ足しながら作業します。ブラケット、ホース、キャリパーをたたいたり、振動を与えたり、角度を変えたりしながら、ブレーキシステム内の気泡が出なくなるまで行います。 

ブレーキレバーを握った状態で、瞬間的にブリードニップルを開け閉めして、ブレーキキャリパー内の気泡を出します。気泡が出なくなるまで、この手順を繰り返し、ブリードニップルを締めます。次に、ハンドルの角度や自転車を傾けるなどして、気泡が出なくなるまで、レバー操作をゆっくり繰り返します。気泡が出なくなったら、ブレーキレバーを当たりまで握ります。正常な状態であれば、この状態でレバーの当たりが固くなります。レバーが固くならない場合、まだ、気泡抜きが不十分ということになるので、根気よく、気泡を抜く作業を地道に繰り返します。ブレーキホースやデュラコンをドライバーの持つところで繰り返し、たたいたり、ゆすったり、角度を変えたりして残っている気泡を追い出します。レバーの当たりが固くなったらOKです。

 

オイルストッパーでじょうごに栓をして、じょうごとファンネルアダプターを取り外します。この時、リザーバータンクに気泡を残さないように、ミネラルオイルを溢れさせつつ、ブリードねじにOリングを取り付けて2mmの六角レンチで締め付けます。この2mmのねじもなめやすいので、ゆっくり少しずつ回します。 

こぼれたミネラルオイルをきれいにふき取り、パーツクリーナーで油分を取り除いたら、ブラケットカバーを元に戻します。

キャリパーに挟んでいた黄色いブリード用スペーサーを取り外し、ブレーキパッドとボルトを取り付けます。 

外していたセンターロックのローターを40Nmの強さでしっかりと締め付けます。ちなみに、VENGEは、フロント160mm、リア140mmのローターです。フロントホイールを取り付けて、ブレーキテスト。その後、同様にリアのブリーディングも行い、前後でブレーキの効き具合に差がないか確認します。

ここまでが、ブリーディング作業の流れです。この後は、フロントディレーラーとリアディレーラーの調整、及び、ブラケット上部のボタンの設定、シフトの速さの設定等をシマノのE-tube Projectというアプリにつないで行いました。では、そちらを紹介していきます。特に、調整については、覚えておいた方がいいと思います。 

FDの取り付けの前に、フレーム側にサポートボルトが当たる場所にバックアップテープを貼る場合もありますが、VENGEでは、必要なかったですので、高さを決めます。チェーンガイド外側プレートと最大チェーリングのすき間が1~3mmになるように調整します。ガイドプレートに貼ってある赤いものは、チェーリングを当てた時の目安になるものです。次にディレーラーの向きですが、外側プレートの後端がチェーリングの真上の位置で、0.5mm~1mm内側になるように整え、5mmの六角レンチで5~7んmのトルクで締め付けます。次に、チェーンガイド外側プレートの平らな面が最大チェーリングの真上の位置で平行になるように、2mmの六角レンチでサポートボルトを回して調整します。

次に、トップ側の調整。チェーンをフロント最大チェーンリング、リアを最小スプロケットにセットします。Hと見えるトップ側調整ボルトを2mmの六角レンチで回します。チェーンとチェーンガイド外プレートの隙間が、0.5~1mmになるよう調整します。 

チェーンリングの歯の高さは、全部同じではありません。それは、変速の時に、チェーンがかかりやすい歯をところどころに作って、チェーンがかかりやすくするという工夫なんです。まあ、それはさておき、山の高いを見つけて、外側ガイドプレートとの隙間を1~3mmにすることで、チェーンが外側に落ちることを防ぎます。 

ロー側の位置決めは、調整モードにして行います。チェーンをフロント最小チェーンリング、リアを最大スプロケットにセットします。

ジャンクションAのボタンをボタン用LEDが赤色に点灯するまで押し、変速モードから調整モードに変更します。左レバーのシフトスイッチのアップもしくはダウンのいずれかのスイッチを操作します。チェーンとチェーンガイド内側プレートとの間隔を0~0.5mmに設定します。調整範囲は、初期位置から内側へ18段階、外側へ18段階。調整時には、調整方法が確認できるように、チェーンガイドが行き過ぎてから戻るという誇張した動きをします。チェーンガイドとチェーンの位置確認をするときは、最後に止まった状態で行う。すべてのギヤで、チェーンガイドにチェーンが接触しないことを確認出来たら、ジャンクションAボタンの赤色ランプが消えるまで押して、調整モードから変速モードに戻します。

RDの調整をします。まずは、ロー側から。リアディレーラーを最大スプロケットに変速させ、ロー側ストッパーボルトを2mmの六角レンチで左リンク(ちょっと写真ではわからないですが)にちょうど当たるまで締め込みます。次に、トップ側の調整。リアディレーラーを最小スプロケットに変速させ、リアディレーラーが最後に止まった位置で、左リンクに接触するまで、トップ側ストッパーボルト(H)を締め込みます。その位置から、トップ側ストッパーボルトを反時計方向へ1回転させ、オーバーストローク分を確保します。最大ロケットから最小スプロケットへの変速で、リアディレーラーは外側へオーバーストロークして戻る動作をするためです。

リアの変速調整を行うには、チェーンをロー側から5枚目の歯に入れたら、FD同様、ジャンクションAボタンを押して、変速モードから調整モードにします。赤色点灯になればOKです。

クランクを回しながら、ロー側に近づくシフトスイッチ[X〕を操作し、チェーンが4枚目のスプロケットと接触してかすかに音が出る位置までガイドプーリーを内側へ移動させます。 

トップ側に近づくシフトスイッチ(Y)を4回操作し、ガイドプーリーを外側へ4段階移動させた位置が目安の位置となります。 

ジャンクションAボタンを赤色LEDが消灯するまで押し、調整モードから変速モードに戻します。その後、各段に変速させ、全てのスプロケットで音鳴りがしないでスムーズに変速すれば、調整は終了です。では、最後に、Di2のスイッチの設定を行います。初めに、シマノの「E-tube Project」を開きます。

まだの方は、サポートサイト(http://e-tubeproject.shimano.com)にアクセスし、ダウンロードしてください。最近は、E-tube Projectのスマホ版が登場しましたので、そちらのアプリをダウンロードして、使用することもできます。ただし、スマホ版の場合、エラー診断機能など、一部、対応していないものもありますので、ご承知おきください。 

Di2のROADをクリックします。接続確認、カスタマイズ、エラーチェック、ファームウェアアップデート等の項目があります。 

まずは、一番上の接続確認の項目をクリックします。 

充電用コードをジャンクションAとパソコンのUSBポートにつなぎ、次へをクリックします。

「接続確認が正常に完了しました」というメッセージの下に、Di2のユニット名と接続しているユニット数が表示されます。 

完了ボタンをクリックします。  

次に、ファームウェアアップデートが必要な場合には、最新版が用意されていますというメッセージが表示されますので、常に、最新の状態でお使いいただけるように、適宜、アップデートを行います。 

スイッチの設定をするために、カスタマイズをクリックします。 

次にスイッチ設定をクリックします。 

今回は、ブラケット上部のスイッチAの右(R)をリアシフトアップにしましたが、これは、好みによりいつでも変更できます。 

同様に、ブラケット上部のスイッチAの左(L)をリアシフトダウンに設定しました。以上でスイッチの設定は完了です。

画面の指示に従って、アプリケーションを終了で、OKをクリックします。パソコン上からの作業でしたが、スマホのアプリですと、Bluetooth接続を使用して行うことができます。ただし、私が使用している9070のDi2ですと、バッテリーをBM-DN100に変えないと対応できないみたいなので、ちょっとがっかりでした。

以上で、「VENGE PRO DI2 DISC」の組み立て、調整は終了となり、最終点検、お客様への取り扱い説明を経て、納車させていただきました。

通常のロードバイクの場合は、以下のようになります。

このような箱に入ってメーカーから送られてきます。

  箱から慎重に自転車を取り出します。

次に、リアエンドに ディスプレイスタンドを取り付け、 梱包材をとります。

この時、フレーム、ワイヤー、タイヤ、リム、リムテープ等に傷や異常がないか確かめます。

次に、ヘッドパーツをばらし、ベアリングの状態を確認します。

中には、まったくグリスがない場合もあります。

ベアリングにグリスを差して、ヘッドパーツを元通りに戻します。

  前輪とフォーク、ステムを取り付けます

      ハンドルを取り付けます

 ステムの4本のネジを交互に均等に締めていきます

ステムやハンドルを締めるネジには、グリスを塗ります。

ネジには、指定された締め付けトルクが決まっています。

最後は、トルクレンチを使って、確認しています。

自転車のネジは、決して、完全に力任せでしめないように注意します

   次に、サドルを取り付けます。

サドルの上面は、水平になるように、水平器を使って水平にします。
 
シートポストをフレームに入れて固定するとき、フレームやシートピラーがカーボンの場合は、グリスはつけませんが、アルミやスチールの場合は、固着防止用にグリスをつけてます

 次に、前キャリパーブレーキを取り付けます。

前ブレーキのワイヤーの長さが長いので、抵抗の少ない適当な長さにカットします。

インナーワイヤーにはグリスを少しだけぬります

      カットする前のワイヤー

      カットした後のワイヤー

後ろキャリパーブレーキは、7分組では最初から付いてきます。

しかし、ワイヤーが長かったり、ブレーキシューの位置がずれていたりします。

それで、後ろブレーキは、すべてばらして、前ブレーキ同様に処理します。
 
こうして、前後のブレーキレバーを同時に引きます。

前後のブレーキが同じ強さで同時にかかるように調整します。

調整ができたら、余分なインナーワイヤーをカットし、エンドキャップをします。
 
7分組みの自転車の場合、すでにシフトケーブルが通され、変速できている場合と、シフトケーブルが通されていない場合があります。

シフトケーブルが通されている場合も、シフトケーブルとワイヤーを全部外します。

ブレーキケーブル同様、まずは、シフトケーブルの長さを適正にします。

ハンドルがスムーズに左右に無理なく動かせるくらいのゆとりをもたせ、ケーブルをカットします。

次に、ギヤの変速調整です。 

 フロントディレーラーの高さと角度を決めます。
 
ワイヤーの強さを適正に張ります。

チェーンがトップ(大きい外側のギヤ)側とロー(小さい内側のギヤ)側の動く範囲を決めます。

リアディレーラーもトップ(外側の小さいギヤ)とロー(内側の大きいギヤ)の動く範囲を決め、ワイヤーを適正に張ります。

クランクを回しながら、チェーンが各段にスムーズに変速するまで、何度も繰り返します。

トップ側とロー側の微調整とワイヤーの張りで微調整します。

ガイドプーリーとスプロケットの距離が近すぎると、ゴロゴロと接触する音がするので、Bテンション調整ボルトを締めて調整します。
 
逆に、遠すぎると変速レスポンスが悪くなるので、ゆるめて調整します。


次にペダルを付けます。  

基本的に、クロスバイクやマウンテンバイクにはペダルが付いてきます。 

でも、ロードバイクや上位モデルの自転車には、ペダルは付いてきません。 

ペダルは、15mmのペダルレンチまたは六角レンチで締めます。  

左ペダルは、時計と反対まわりの逆ネジになっています。  
 
最後は、各ネジがしっかりしまっているか確認する作業があります。

クランク、フロントディレーラー、リアディレーラー、リアエンド、チェーンリング、スプロケットが確実に取り付けられているか点検します。

また、前輪、後輪のハブが締まりすぎていないか、反対にゆるすぎてガタがないかも点検します

中には、スポークの張りが規定値より少なかったり、タイヤがふれていたりする場合もあります。
 
スポークの張り具合いは、テンションメーターを使って計ります。

ゆるい場合は、ニップル回しを使い、適正な張りに仕上げます。 

当然、振れも出てくるので、振れとり台を使って、振れを取り、センターを出すようにしています。
 

7分組みの自転車のすべてのパーツをバラシて、一から組み上げるショップもあるということを聞いたことがあります。

そこまではいかなくとも、どのスポーツバイク専門店でも、それぞれのこだわりを持ち、正確に組み立てるようにしていると思います。

      7分組みから仕上げた自転車


組み立ての流れ(フレームから)

デローザのクロモリフレームを、CampagnoloのRecordのパーツで組み上げていきます。

フレームサイズ56 身長182.5cmのお客様です。

まずは、フィティングマシンにて、以下の数値に決定しました。

(フィティングの仕方については、フィティングマシンの活用のところをご覧ください。)

股下の長さ      865mm
クランク長      175mm(身長から175を推奨)
サドル高       752mm(股下の長さ、膝の角度から決定)
サドル後退幅      85mm
ハンドル幅      420mm(肩幅から推奨)
ハンドル・サドル落差  47mm(腕と腰の角度から決定)
ハンドル・サドル距離 560mm(腕と腰の角度から決定)

以下、組み上げ工程です。

お客様の要望で、ゆっくり、丁寧に組み上げて欲しいとということですので、一つの作業ごとに、ホームページにアップして、完成まで積み上げて参ります。

そうすることで、お客様も、どの程度まで進んでいるのか、進捗状況を知ることできて、完成が楽しみになってくると思います。

1日目は、フォークに、フォーク下玉押しを圧入します。

    ♡マークがおしゃれですね 

 フォークに錆防止のためにグリスを塗ります。

   フォークに下玉押しを差し込みます


いよいよ、ここから下玉押しを圧入します。専用工具が必要です。

   HOZANフォーク下玉押しスライドハンマー 

 フォークコラムにスライドハンマーを差し込み、上下にスライドさせて、下玉押しを押し込んでいきます。

この作業、単純作業ですが、やってみると、思いの外、難しいのです。

下玉押しが平行でなく、、どうしても斜めになってしまいます。

この工具で、しばらく、続けましたが、なかなか思うようにできません。

そこで、専用工具をチェンジしました。

 ParkToolの長い下玉押し専用工具を使ってみました 

これを使って、上からハンマーでたたいて入れるという作業をしました。

初めは、一人でやりましたが、どうしても、ここでも、斜めになってしまいます。

そこで、フォークを持ってもらいながら、二人で作業しました。

二人でやっても、やっぱり難しかったです。

どうにか、下玉押しは、フォーククラウンの根元まで、隙間なく圧入できましたが、

今回の作業で、痛切に感じたのは、やはり、質の高い1インチ用の専用工具と確かな技術が絶対必要だということです。

 


次は、ヘッドチューブにヘッドパーツ(上わんと下わん)を入れる作業です。

ヘッドチューブに圧入する玉押し(上)と玉受け(下) 見た目もサイズも同じなので、区別がつきにくいですが、右側の玉受けには、RECORDのロゴが入っている。

ヘッドチューブに圧入するときの専用工具 やはり工具は大事です

ヘッドチューブの上部、内側にスレッドコンパウンドを塗ります。 

ヘッドチューブ下部、内側にもスレッドコンパウンドを塗ります

 上わんを圧入工具に入れます。

上わんをセットした専用工具をヘッドチューブに上から静かに入れます。

上わんをヘッドチューブの上部に納めます。 

 圧入工具にセットした下わんをヘッドチューブの下に納めます。(この時、下わんがヘッドチューブに平行になっていなければなりません。写真を見ると、少し斜めになっています。それで、一度目は、下わんが斜めになったまま入ってしまい、やり直すことにしました。)

上わんと下わんを圧入工具にセットし、ヘッドチューブに平行になるように納めました。(1度目は、ここで下わんが斜めになっていたのです。)

圧入工具の下の部分をモンキースパナを使って固定します。 

このように下の部分をモンキースパナで固定し、上についているハンドルを締め込んでいくと、上下のわんがヘッドチューブにうまく圧入されるという仕組みです。

下を固定し、上のハンドルを回すと、上下のわんが圧入されていきます。(この写真は、やり直して2回目の作業中です。)

わんが圧入されていく途中の状態(補助者にフレームを押さえてもらいながら、作業するとやりやすいです。)

わんがヘッドチューブに隙間なく圧入されたら、圧入工具を下から順番に外します。取り外し作業も慎重に。

圧入工具を落とさないように気を付けてヘッドチューブから引き抜きます。 

はみ出したスレッドコンパウンドをふき取り、もう一度、上下のわんとフレームに隙間がないか確認します。細かいこだわりとして、下わん(玉受け)のRECORDのロゴの向きが左右対称になるようにしています。


今日は、残りのヘッド小物の組付けとフォークコラムのカット作業をします。

使うヘッドパーツの小物を紹介します。

ベアリングです。よく見ると、ベアリングの径も玉の大きさも違います。右が上用で3.96mm、左が下用で4.76mmのボールです。

 ベアリングと上玉押しの間に入るカバーです。

上玉押しです。この締め具合が、ハンドルのスムーズな動きに大きく左右します。

回り止めワッシャーです。ワッシャーの一部が凸な形になってます。 

ロックナットです。ヘッドパーツの一番上にきます。上玉押しがゆるまないように、最後の仕上げで締め込みます。

では、順番にこれらのヘッドパーツを入れて組み上げていきます。 

   下玉押しにグリスを塗ります。 

 ベアリングを入れます。下は4.76mmの大きい方です。

 ベアリングがフォークに入りました。

   下わんの内側にもグリスをぬります。 

フロントフォークのコラムを下からゆっくり、ヘッドチューブ内に入れていきます。

 上わんの内側にもグリスをぬります。

 上わんに、3.96mmのベアリングを入れます。

 ベアリングと上玉押しの間にカバーを入れます。

Adjustable race(上玉押し)はねじになっているので、ガタがでなくなるところまで締めていきます。

 ヘッドパーツ用のスパナを使って、締めていきます。

Adjusable race(上玉押し)がゆるすぎず、きつすぎないところまで締めます。

回り止めワッシャーを入れようとしましたが、フォークコラムに溝が切っていないためにこのままでは入りません。凸の部分を削ることにしました。 

 曲面のやすりを使って、内径が真円になるように削っています。

 回り止めワッシャーが無事に入ってくれました。

 コラムをカットするためのガイドを締め込んでいきます。 

 ガイドの隙間にのこぎりの歯を入れて、水平に切ります。どこで切るかが重要なんです。ロックナットの厚みと、ガイドの厚みを比べて、ロックナットからコラムがはみでないように、また、切り過ぎないように計算してから切ります。この作業は、根気のいる作業でした。フレームに傷がついたり、フレーム内に粉が入ったりしないように、ビニールカバーをかけてから切ります。

カットしたコラムの面取りをしています。別の作業でしたが、ネジ山をなめてしまい、部品をだめにしたことがあります。その経験を生かして、ネジ山がつぶれないように、注意して作業します。

左手で下のdjusable race(上玉押し)をヘッド用スパナで押さえながら、RECORDと書いてあるロックナットが回らなくなるまで、右手のヘッド用スパナを使って、締め込んでいきます。 

コラムをカットし、ヘッドパーツの組み上げが完成しました。前輪を持って左右に動かしたら、スムーズに動いてくれました。


次回は、ボトムブラケット(正確には、BBが入るカップ)、シートポスト、サドル、ステム、ハンドルの取り付けです。

まずは、BBカップです。

 ネジ切タイプのイタリアン、ピンが付いている方が右

こちらが左 ネジ山に付いている黄色いものは、ネジ緩み止め剤です。

 波ワッシャーは左のクランクを付けるときに使います。

では、作業に取りかかります。取り付けは右側から行います。

右側のネジの部分に、焼き付き防止用にスレッドコンパウンドを塗ります。(左側も同じように塗ります。)

BBカップとシェルの当たり面には、防水目的でグリスを塗ります。

イタリアンは正ネジ。まずは手で回らなくなるまで締めます。ネジ山をなめないように、慎重に行います。無理して力任せに締めると、ネジ山をなめてしまい、フレームが使えなくなってしまいます。 

BBアダプター取り付け工具を使って規定トルクまで締めます。35Nmと表記されています。緩まないようにかなりの力で締めます。 

はみ出したグリスやスレッドコンパウンドをふき取り、次は、左も同様に行います。

まずは、手で回らなくなるまで締めていきます。この時も、ネジ山をなめないように、ゆっくり慎重に回していきます。 

工具を使って、しっかりと締めたら、はみ出したグリスとスレッドコンパウンドをふき取ります。 

波ワッシャーは、クランク装着するときに使うので、左側に入れておきます。 

外側のピンは、クランク装着時に必要なので、右側に着けておきます。 

BBカップの作業は これまでで、一番スムーズに進みました。


次は、シートポストを入れ、サドルを取り付けます。

シートポストを締めるシートクランプのピンがなかったので、まずは規格に合うピンを探しました。

大きい方が左側、小さい方が右側にきます。右を5mmの六角レンチで固定し、左側を5mmの六角レンチを使って締めていきます。 

シートポストを入れるまで、仮止めしておきます。 

シートポストはNITTO S-65 径26.8mm、長さ250mmを使用します。

サドルを取り付けて、サドルの高さを出してから、シートクランプのピンを締めて固定します。

サドルを取り付けます。サドルはfizi:k ALIONE KIUMを使います。 

 サドルの角度は、水平器を使い、水平なポジションにします。

サドルの高さを752mm、サドル後退幅85mmになるように、サドルの高さと前後位置を決めます。

サドルの角度と前後位置の調整は、ここのネジで行います。6mmの六角レンチを使います。

サドルの位置が決まったら、シートクランプのピンを締めて、シートポストを固定します。後で、試乗してもらったら、サドルが走っている途中で落ちてしまいました。原因は、シートクランプのピンが長すぎたため、しっかり固定されなかったとのことでした。シートクランプの短いピンに変え、シートチューブにファイバーグリスを塗って、再度、試したら大丈夫でした。

ステムはNITTO NP-2 ポスト 径Φ22.2 バークランプ径Φ26.0 突き出し120mm ポスト長さ150mmを使用します。

今のロードバイクは、ほとんどがアヘッドタイプですが、ここでは、スレッドステムを使用します。

上部のネジを六角レンチで締めると、斜めに切り込みの入ってる部分が広がり、ステムが固定される仕組みになっています。 

ハンドルを入れていきます。ハンドルは、NITTO NEAT MOD185 幅420mm、センター径Φ26.0を使っています。 

ハンドルをゆっくり、傷がつかないように少しずつステムのセンターを通していきます。まるで知恵の輪をやっている気分です。 

ハンドルの曲がりが急なところは、なかなか入ってくれません。ここまで通れば、センターまで、スムーズにたどりつきます。 

 どうにか、ハンドルを通すことができました。

ハンドルの高さが決まったら、ここを6mmの六角レンチで締めて固定します。トップチューブとステムが一直線になるようにします。ハンドルが曲がってしまったら、このネジを一度緩めて、曲がったハンドルの向きを正してから、締めていきます。

ハンドルのセンター出しと角度を決めたら、ここを6mmの六角レンチで締めて固定します。 

サドルの高さとハンドルの高さの落差が47mmになるようにハンドルの高さを決めます。ステムの長さが150mmで、MAXラインのところまで下げて、どうにかポジション通りの高さを出すことができました。スレッドタイプのステムは数が少なく、ステムの長さが限られているので、コラムカットの時に、スペーサーを入れて、少しコラムを長めにカットするのがよさそうだ。んん、難しいけど、勉強になりました。 

 


次回は、ホイールセット(MAVIC キシリウムプロ UST)です。カンパ用フリーボディを取り寄せ、シマノ用フリーボディをカンパ用に交換し、レコードのカセットスプロケットを取り付ける作業をします。


クイックシャフトを外します。MAVIC純正のクイックシャフトは、ほんとに性能が良くて、使いやすいです。 

左手でカセットを固定する工具を使い、右手でシマノ専用のカセットスプロケットを外す工具を下に押すイメージで、力を加えます。

シマノアルテグラのスプロケットが外れました。 

フリーボディを押させている黒いストッパーを抜きます。工具は使わず、手だけで簡単に抜けます。 

シマノ用のフリーボディを抜きます

カンパ用のフリーボディのベアリングと内部にマビック専用のミネラルオイルを塗ります。 

カンパ用フリーボディを入れます。 

フリーボディをしっかりと入れたら、黒いストッパーを入れて押さえます。 

カンパレコードのカセットスプロケット(12-27T)を入れます。 

大きい歯のロー側3枚はチタンで出来ています。スプロケットを外したり出来るようになると、メンテナンスも楽しくなります。 

一番上のロックリングは、手で締まるところまで締めたら、スプロケ締め専用工具を使って締めます。

 Sのマークがシマノ用、Cのマークがカンパ用です。

ロックリングは正ネジなので、時計回りに、緩まないようにしっかり締めます。

最後にクイックシャフトを通して、入れ替え作業は終了です。

次は、キャリパーブレーキを取り付けます。


カンパレコードキャリパーブレーキの箱もおしゃれです。 

 左が前ブレーキ、右が後ろブレーキです。違いが分かりますか?フレームに止めるネジの部分の長さが違います。前ブレーキの方が長いです。

 

カンパ用の固定ワッシャー、ワッシャーの外側だけギザギザになっています。

キャリパーとフレームの間にすべり防止の目的で入れます。

 ここをトルクスレンチT25を使って締めます。しかし、いくら、締めても後ろキャリパーはなかなか固定されません。そこで、ワッシャーを変えることにしました。

左がカンパ用で、右がシマノ用、シマノ用は、ワッシャーの表面全体がギザギザしているので、シマノ用に変えて試したところ、キャリパーは固定されました。 

しっかり、固定することができました。ほかのショップでは、どうやっているのか、気になりましたが、まずは、これにてキャリパー取り付け終了です。


次回は、デュアルコントロールレバーの取り付けです。

ここでは、デュアルコントロールレバー(略してデュラコン)と呼んでいきます。 

 

ハンドルに止めるネジは、ここにあります。ということで、カバーを必死にここまでめっくて、ようやく作業ができそうです。 

トルクスレンチT25を使ってネジを緩めると、ハンドルに通す、金属の輪の部分が外れます。 

外れた金属の輪には、矢印が付いているので、ハンドルへは、この向きに入れます。 

ネジ山にグリスを塗り、矢印の向きで、ハンドルに通します。 

まずは、ここを締めていき、デュラコンを仮止めします。ここまで右も同様にして進めます。ラバーをめくるのが、きつくて大変でしたが、それ以外は、スムーズに進みました。 

左右のデュラコンの高さが水平になるようにもっていきます。 

ハンドルの下とレバーの下の位置も目安として合わせてみました。

ハンドルの上部と、ブラケットラバーの上部が水平になるようにします。 

今のiPhoneは便利です。水平器の機能も付いています。 これで、左右の高さが決まったところで、しっかりと増し締めをして、取り付け完了です。


今度は、ブレーキワイヤーの取り付けです。ブレーキワイヤーの取り付けは、基本的にシマノとやり方は同じでしたので、スムーズな作業でした。

この穴にブレーキのインナーワイヤーを通します。 

ブラケットの内側から、インナーワイヤーが出てきました。 

インナーワイヤーには、グリスを塗ります。 

ブレーキのアウターワイヤの長さを決めます。今までの自転車が左前ブレーキということで、左前の取り回しにしました。アウターの長さは、ショップのこだわりでもあると思います。自然な長さで、見た目も美しくなるようにカットします。

アウターワイヤーをカットすると、中のライナー管がつぶれたり、表面のケーシングがざらざらになるので、千枚通しと金やすりを使って、インナーワイヤの抵抗を押さえるように整えます。

ワイヤーの硬さ調整は、5mmの六角レンチ、ブレーキシューの調整は、トルクスレンチT25で行います。ブレーキを握ったとき、左右のブレーキシューが同時にリム面に当たればタイヤは動きませんが、ずれていると、タイヤが左右に動くので、調整が必要です。この調整は、かなり根気のいる作業です。納得のいくまで行います。 

後ろブレーキも同様に、インナーワイヤにグリスを塗り、インナーワイヤーを通します。 

アウターワイヤーの長さを決めます。ハンドルを左右60度にきって、ワイヤーが短すぎないようにすることとなっています。アウターワイヤーの長さを決めたら、ハンドルにビニールテープでアウターを止めていきます。 

私は、輪行の時のことを考えて、ハンドルを90度にきって、ワイヤーが短すぎないところで、アウターワイヤーをカットします。 

後ろは、キャリパーブレーキに入るところにもアウターワイヤーがあります。ブレーキの効き具合、つまりブレーキの硬さは、前ブレーキと同じにします。ブレーキシューは、リム面上部の約1mm以内になるようにします。左右のブレーキシューの当たりが同時になるまで根気よく調整します。ブレーキは命を預ける大事なところなので、妥協したくないですね。

右が前ブレーキなので、右手でレバーを引きながら、左手で調整をしました。


 

次は、クランクを取り付けていきましょう。

ウルトラトルクのカンパレコードクランクです。  

裏側から見ると、シャフトの内側にベアリングが付いています。これが、BBカップに収まるという仕組みなんです。シャフトの先端は、ギザギザになっていますね。 

クランクの左側です。確かに、シャフトの内側には、こちらにもベアリングが付いています。シャフトの先端は、ことらもギザギザになっていますね。その先端に付いているナットは10mmの六角レンチで外れるので、外します。つまり、右と左のギザギザの部分が、最後にナットでつながるという仕組みなんですね。それで、ナットを外しておくのですね。

ベアリングとシャフト部分に、たっぷりとグリスを塗ります。理由は、水の侵入防止ですが、一番大きな理由は、このクランク、工具を使わずに手だけで左右から押し込んでいるだけなので、私の予想では、BBカップとベアリングとの間に隙間ができやすいのではないかと思います。ましてや、右側には、クランクが外れないようにするためのピンをつけることになっています。んん、簡単に付けられるという便利さ半面、外れやすいというマイナス面もありそうです。 

右側のクランクから、BBカップにベアリングがしっかりと入るまで、手で入れていきます。 

右側のBBカップに穴が2つ空いています。そこにクランク外れ防止用のピンをはめて、クランクが外れないようにします。ということは、クランクは外れやすいということでもあるので、最後に左右のクランクを繋ぐナットをしっかりと締めなければならないということですね。

ここに、クランク外れ防止ピンが入ります。

左のクランクを入れる前に、BBカップ内に入れる波ワッシャーです。

左クランクのベアリングとシャフト部分にもたっぷりとグリスを塗ります。 

BBカップ内にもグリスを塗ります。 


左クランクと右クランクのシャフトの角度が180度になるように、左クランクをしっかりと奥まで入れます。シマノの場合、まっすぐにならないことは、まずないですが、カンパはそこが難しい。最後に、左クランクの先端に付いていたナットを右クランク側から入れて、10ミリの六角レンチで締めます。45Nmというかなり大きなトルクが必要なので、左手でクランクシャフトを持ち、右手にスパナを持って、10ミリ六角レンチを固定して、回らなくなるところまで、かなり強い力で締めていきます。これで、ウルトラクランクの取り付け作業は終了です。

 

今日は、フロントディレーラー、リアディレーラー、シフトワイヤー、チェーンを取り付けます。


フロントディレーラーはスーパーレコード、5mmの六角レンチで固定します。取り付けのポイントは、ディレーラーの高さと向きです。まず、高さの目安は、フロントディレーラーのプレートとチェーリングの刃先の距離を1.5~3mmにすることです。チェーリングの刃先の高さが均一ではないので、1.5mmの幅があるのです。向きは、チェーンリングと同じにします。つまり、フロントディレーラーのプレートとチェーリングが平行になるように固定します。

次にリアディレーラーの取り付けです。

ディレーラーハンガーに5mmの六角レンチで固定します。注意点は、やはりネジ山をなめないようにすることです。調整方法については、後程触れます。

次に、シフトワイヤーの取り付けです。

よく見ると、アウターワイヤーを受ける台座(アウターストッパー)が付いてません。 

そこで、アウターストッパーを取り付けました。しかし、ネジが入りません。ネジ山の中まで塗装されたままになっています。そこで、ネジ山を根気よくつくることにしました。 

少しずつ、塗装のついたネジ山を切っていきます。 

このように、アウターストッパーも取り付けられました。 では、シフトワイヤーを通していきましょう。

その前に、フレームの下シフトワイヤーが通る台座を取り付けます。 

ここから、シフトワイヤーを通します。ブレーキもシフトもワイヤーの通し方は、シマノと似ているので、難しくありません。

シフトワイヤーのアウターケーブルも、ブレーキワイヤー同様に、ハンドルが左右に60度ずつ、スムーズにきれる適切な長さにします。 

左右のアウターケーブルの長さが同じになるようにカットします。 

アウターワイヤーは、機能的で、見た目も重要です。 

ワイヤーが伸びると、変速が決まらなくなります。その時に、アウターストッパー(グレーの部分)を半時計回りに回すと、ワイヤーが張られます。4分の1回転から半回転、少しだけ回していきます。 

リアディレーラーには、シフトのアウターワイヤーが収まっている調整ネジがあります。この調整ネジを反時計回りに回しても、ワイヤーが張られます。 

シフトのインナーワイヤーをリアディレーラーに固定するときは、このように通します。 

このように、ワイヤーは、5㎜の六角レンチで下を通して留めます。

 

 フロントディレーラーのインナーワイヤーは、このように通します。

固定ボルトの上を巻くように通して、5mmの六角レンチで留めます。 

順番が前後しますが、トップギヤからローギヤまでガイドプーリーの可動範囲を決めるには、ワイヤーを張る前に行います。トップギヤ調整ネジを2mmの六角レンチを使ってトップ側の位置を決めます。ガイドプーリーの歯とトップギヤの歯が一直線になるようにします。こうすることで、ガイドプーリーはこれ以上外側に動かないようになっていますので、チェーンがトップギヤより外側に落ちることはありません。時計回しで、ガイドプーリーは内側に動き、反時計回りで、ガイドプーリーは外側に動きます。

ローギヤ側の調整は、リアディレーラーを指で押して、ガイドプーリーの歯とローギヤの歯の中心が一直線になる位置で動きが止まるように、ローギヤ調整ねじを回します。こうすることで、ガイドプーリーはローギヤより内側に動きませんので、チェーンがローギヤより内側に落ちることはありません。時計回しで、ガイドプーリーは外側へ動き、半時計回しで内側に動きます。このシステムは、シマノの調整方法と同じですね。ただし、カンパには、シマノのように、HやLの文字はありません。 

チェーンをインナーローの状態にしたとき、ローギヤとガイドプーリーの間は、5~7mmになるようにします。その距離が大きすぎる場合は、ここのネジを締め付け、ます。その距離が小さすぎる場合は、ここのネジを緩めます。異音や振動が発生する場合は、ネジを締めて、距離を少し広げます。また、変速が遅すぎる場合、ネジを締めて、その距離を縮めます。これで、チェーンが動く範囲の調整は終わりです。万が一、乗っていて、転倒などでディレーラーハンガーが曲がった場合は、可動範囲がずれるので、要注意です。 

レコードのチェーンです。 

カンパ用のチェー切り(TOPEAKのチェーン切り工具)です。 

カンパ用ミッシングリンクを使用します。チェーンの取り外しに便利です。 

ミッシングリンクをはめたり、外したりするときに使う工具 

はめるときは、カチッと、しっかりミッシングリンクが収まるまで専用工具の先を広げます。また、チェーンを掃除したりする場合は、専用工具の先を閉じると、ミッシングリンクが外れるようになっています。慣れてくると、専用工具を使わなくてもできるようになります。

チェーンの長さが決まったら、余ったチェーンは、専用工具で切ります。チェーンの長さは、フロントギヤのアウター側に通し、後ろのスプロケットの最大ギヤに通します。プーリーには通しません。そして、2つ分のチェーンのコマが余った長さできります。今回は、チェーンが6コマ分余ったので、そこで切りました。なお、チェーンの適切な長さとは、ギヤがインナートップの状態が、最大チェーンが余りますが、チェーンステーに干渉しないのが、大事なポイントです。また、ギヤがアウターローの状態が一番チェーンが張られる状態ですが、短く切りすぎると、このギヤに入らないこともおきます。ですから、チェーンを切るときは、インナートップやアウターローの状態でも使用できる長さであるか確認してからカットするようにしています。

リアディレーラーは、ワイヤーを固定する前に、ディレーラーの動きを調整ネジで行いましたが、フロントディレーラーの場合には、ディレーラーの動きがワイヤーの張りに関係してくるので、ワイヤーを張ってから行います。インナーギヤ時のフロントディレーラーの可動範囲調整は、フロントインナー、リアはローの状態で、内側のプレートとチェーンの間隔が0.5mm以内になるよう、上の調整ネジで行います。時計回しで、内側のプレートは、外側に動き、反時計回りで、内側に動きます。この調整の目的は、チェーンがギヤの内側に落ちないようにするためです。チェーンがプレートに擦れる音が消えるぎりぎりのところです。 

次に、シフトワイヤーのテンション調整をします。シフトアッパーレベルをゆっくりとクロックします。1回目のクリックで、フロントディレーラーのプレートが外側に少し動きます。2回目のクリックで、更に少し外側に動きます。3回目のクリックで、チェーンがアウターギヤに上がれば、ワイヤーの張り具合は正常です。2回で上がってしまう場合は、張りすぎ、また、3回でもアウターギヤに上がらなければ、再度、ワイヤーを張り直します。
最後に、アウターギヤとフロントディレーラーのプレート調整は、上のネジで行います。時計回りで、プレートは内側に動きます。プレートにチェーンが擦れているときは、反時計回りに緩めます。緩めすぎると、チェーンリングの外にチェーンが落ちてしますの、その場合、ネジを少しだけ締めます。なお、この作業は、一旦チェーンをインナーギヤに落としてからやると、ネジを回しやすいです。
変速を繰り返すと、ワイヤーの張りが弱くなり、大きいギヤに上がりにくくなり、チェーンリングに擦れるようになります。 

ここの台座(アウターストッパー)にある調整ネジを反時計回りに2分の1回転から4分の1回転くらいに、少しずつ回します。このときも、チェーンを一旦、インナーギヤに落としてからの方が回しやすいです。フロント、リアの変速調整を何度も何度も繰り返し、ワイヤーの張り直しをします。ゴールドのバーテープを最後に巻いて、自転車は完成しました。

最後に、お客様と試乗を兼ねて、海までサイクリングしてきました。シートが下がってしまうというアクシデントがありましたが、それ以外は、満足していただけ、ホッとしました。1か月後に点検し、再度確認しようと思います。 

クロモリフレームは、そのシルエットが細身でかっこいいですね。 

重量8.33kg、軽いですね。 




下の写真はSWORKSのフレームをシマノDURA-ACEで組み上げた自転車の工程です。 

 フレームを組み立てスタンドに固定します

  専用工具でベアリングを圧入します。

  フォークのコラムカットの位置決めをします

    フォークコラムをカットします。

フォーク・ヘッドパーツ・ステムを取り付けます。

     ハンドルを取り付けます。

ダイレクトマウントキャリパー前を取り付けます。

ダイレクトマウントキャリパー後ろを取り付けます。

  ホイールとシートポストを取り付けます。

      サドルを取り付けます。

    クランクとペダルを取り付けます。

   フロントディレイラーを取り付けます。

   リアディレイラーを取り付けます。

 デュアルコントロールレバーを取り付けます

 ブレーキワイヤーを取り付け、調整します。

    シフトワイヤーを取り付けます。

   チェーンを取り付け、変速調整します。

     重量 なんと、6.840kg

    ポジションの最終確認をします。

     バーテープを巻いて完成しました。

実際に、お客様に試乗していただき、フィーリングを確かめ、好みのポジションに微調整します。


 


<部品交換・修理・メンテナンス>

自転車は、100以上の部品で出来ていると言われています。

中でも、交換が必要な部品は、タイヤ、チューブ、ワイヤー、チェーン、ブレーキシュー、ブレーキパッド、グリップ、バーテープなどです。

これらの部品は、状態を見て、交換することで、いつまでも乗り心地よく走れるようになります。

ワイヤーは、さびたり、切れたりすると、変速しにくくなったり、ブレーキの効きが悪くなったりします。

ブレーキシューを交換しないと、ホイールのリムを痛めてしまいます。

チェーンは、使いこんでくると、伸びます。

伸びたチェーンを使い続けると、

チェーンリングやスプロケットの歯がかみ合わなくなり、こちらも交換しなければならなくなります。

自転車は定期的に購入された専門店で、点検・整備を受けましょう

納車後、2か月または、100km到達以内には、初期点検をしてください。

いつでも安心して乗れる状態を保つことで、自転車は長持ちします。



自転車で一番多い修理は、パンクです

通常、スポーツバイクの場合、出先では、新しいチューブと交換します。

ですから、パンクに備えて、必要なもの(タイヤレバー2本、予備のチューブ、携帯用ポンプか炭酸ガスボンベ)をそろえておくといいです

チューブ交換の仕方は、スタッフが優しく教えてくれますので、自分でできるようにやり方を練習しておくといいです。

これで、サイクリング途中、パンクしても安心です。


次に多い修理は、リアエンドの曲がりです

リアエンドとは、リアディレーラーをフレームにつないでいる部品のことです。

この部品は、素材がアルミでできていて、曲がりやすいです。

自転車が転倒したときなど、リアディレーラーに強い衝撃が加わりフレームへのダメージを少なくする役目をしています。

このリアエンドが曲がると、

・変速が決まらなくなります。
・チェーンが、一番大きいギヤとスポークの間に落ちることもあります。
・リアディレーラーのプーリーがスポークに干渉し、場合によっては、転倒してしまう可能性もあります。

一番大きいギヤとスポークの間にある、丸い形をしたプラスチックは、スポークプロテクターと言い、リアエンドが曲がった場合に、チェーンが落ちるのを防ぐ役目をしています。(付いていない自転車もあります)

自転車を車に横に積むときは、チェーンのある方を上にして、リアエンドに負荷がかからないようにします。

また、自転車が転倒した場合や変速が決まらなくなってきた場合は、リアエンドの曲がりが考えられます。

リアエンドを交換、もしくは修正することで解決する場合が多いです。

 

リアエンドはこんな形

    折れてしまったリアエンド

新しいリアエンドに交換し、フレームに取り付けます

 リアエンドを交換し、乗れるよう修理した自転車

 丸いプラスチックがスポークプロテクター

その他の修理 

・ホイールがふれてくる。 
・ホイールやヘッドにガタが出る。 
・自転車から音がする。等々
 
ヘッドやホイールのハブは、締めすぎず、緩くなり過ぎないところで締めていますから走っていて、当然ガタは考えられるものです。

乗っていて音がする、こんな状況はよくあります。
 
クイックリリーズの緩み、ハブの緩み、クランクやボトムブラケットの緩み、ペダル、サドル、シートポストなどの緩みなどが原因で音が出てくることがあります。

ネジの増し締めをしても音が出る場合は、ハブやボトムブラケットにグリスをぬることもあります。

 

修理は、その程度に応じて、短時間でできるものもあれば、お預かりさせていただく場合もあります。

 
 <メンテナンス> 

きちんとメンテナンスされた自転車とされていない自転車では、乗り心地や自転車の寿命(チェーン、ワイヤー、タイヤなどの消耗品のこと)がかなり違ってきます。

お客様が行うメンテナンスは、それほど難しくはありません。


SBM(スポーツバイクメカニック)講習会で、自転車のメンテナンス講習を受けてきました。

ワコーズのスタッフから、ケミカルの説明やメンテナンスの方法を実演で見せてもらいました。

   用途ごとに使い分けるワコーズのケミカル

実際に、本人の自転車を使って実演しながら詳しく説明してくださいました。  

自宅の庭で、メンテナン用スタンドを使用し、自転車を洗車しているお客さんもいます。  
 
1、汚れた自転車をきれいにする方法  
汚れたら、ウエスかスポンジにうすめた中性洗剤をつけて洗い、水で流し、ふき取る。ワックスをかけるとなおよい。

2 チェーン周りのメンテナンス

方法→チェーン、プーリー、後ろの歯(スプロケット) 前の歯(チェーンリング)にチェーンクリーナー、もしくはディグリーザーと呼ばれる汚れ落とす液体スプレーをかけ、ブラシを使ってこすり、ウエスで汚れをふき取ってから、チェーンオイルをさす。

3 タイヤの空気を入れ、適正空気圧で乗ります。

自転車のメンテナンスで最も重要なうちの一つが、タイヤの空気圧管理です。

自転車の適正空気圧は、タイヤの側面に記されています。

ロードバイクのような細いタイヤほど、高圧で、抜けるのも早いので、空気はこまめに入れた方がいいです。

空気圧が低すぎると、タイヤの設置面積が大きくなりすぎて、摩擦が大きくなるので、

・走りが重く感じる。
・タイヤの寿命が短くなる。
・パンクするリスクが高くなる。

など、マイナス面が目立ちます。

スポーツバイクの空気圧は高圧なので、空気圧が量れるゲージの付いた空気入れが必要です。

 <空気の入れ方>

①フレンチバルプの先端をゆるめます。

ロードバイクのような細くて、高圧な空気圧を入れる場合は、フレンチバルプ(仏式バルプ)が一般的です。 
(この外に、マウンテンバイクに多く見られる米式バルプと一般車に使われる英式バルプがあります。)

②バルプの先端を指で軽く押して、中の空気を抜きます。

バルプの先端を指で軽く押して、中の空気を一瞬抜くことで、空気が入りやすくなります。

③バルプの奥まで入れます。

バルプの先端が曲がらないように、真っ直ぐに奥まで差すと空気漏れしにくくなります。

また、奥まで差さないと、空気が漏れることもあるので、しっかり奥まで差しましょう。

米式バルプなら、そのまま、奥まで差してください。

④フロアーポンプのレバーを立てます

レバーを立てることで、空気がダイレクトに漏れずに入れることができるようになります。

⑤適正空気圧まで空気を入れます。

空気を入れるとき、小刻みに小さく上下させるよりも、できるだけ大きなストロークの方が、早く、楽に入れることができます

適正空気圧又は最大空気圧がタイヤに表記されていますので、それを見て、確認してください。

タイヤによって、差があります。空気圧の単位には、BARPSIが多く使われています。

どちらでも、使いやすい方を使って自分の自転車の空気圧管理しましょう。
100PSIはだいたい7BARと同じになります。

⑥レバーをたおします

⑦引き抜き、バルプの先端を締めます